良い姿勢とは?
「姿勢が悪い!姿勢を直しなさい!」私が昔、母に言われてきた言葉です。
最近電車に乗っていると、ほとんどの人はスマホを見るために下を向いて猫背の姿勢をとっています。猫背の姿勢が一概に悪いとは言いませんが、普段から意識せずに猫背の姿勢をとり続けるのは腰椎や頸椎に過度なストレスが加わります。もちろん、腰をいっぱいまで伸ばした状態で座り続けるのも同じ事が言えるでしょう。だとしたら、どのような姿勢をとれば体に負担がかかりにくいのか?今回は座位姿勢をテーマにお話しをさせていただきます。
良い姿勢とは?
前述した腰が丸まった猫背の姿勢はリラックスした時にとる姿勢でもあるため、一概に悪いとは言えないです。ただ、人間にとって「理想的」な姿勢というのは存在します。ここでいう理想的というのは、腰椎に負担がかかりにくい姿勢という意味です。
良い姿勢を作るためのポイント
そもそも人の脊柱(背骨)はもともと頸椎、胸椎、腰椎の各所で生理的な彎曲が認められます。座っている時の上半身の体重と重力で加わる圧力は腰椎から骨盤にかけて加わりますが、脊柱の彎曲、特に骨盤の前傾と腰椎が前彎していることによって圧力を分散してくれる作用を持っています。
骨盤の前傾と腰椎前弯が減少していくことによって腰部にかかるストレスは強くなり、腰痛などの機能障害へと繋がっていきます。そのため私たちは普段の生活の中でこの理想的な姿勢多くとった方がよいですが、この姿勢を一日中意識することは難しく、時にはリラックスした姿勢も必要になると思います。
一日を通して自身の姿勢を気にしながら姿勢を小まめに変えることができて、自己管理が行なえれば一番良いかと思いますが、それが難しい方は道具の力を借りることも一つの手段です。
座位姿勢を意識的に保てる道具について
私が普段からお伝えしている手段として、ほとんどのご自宅にあるバスタオルを使用した方法です。
バスタオルをくるくると巻いてランバーサポートを作成して、自身に合った厚さや硬さ、腰椎や人によっては胸椎などに当てるなど高さの調整を行いながら、腰椎の前彎のサポートをしていきます。
腰に当てるサポートの他にも座面の高さを上げる事により、骨盤の前傾を促すことが出来て、結果として腰椎前彎しやすい環境を作っていくことも一つの手段としてお伝えすることがあります。
今回紹介した姿勢矯正などは一例であり、痛みのある方や姿勢が気になる方などは、参考にしていただければと思います。
今後もこのように身近なもので工夫して体の管理が出来るものなども発信できたらと思います。
外来リハビリ部門責任者
理学療法士 池田純平