一日のうちに腰がどの程度動いているか知っていますか?

日常生活の動作で私たちがどの程度脊椎を動かしているのか知っていますか?

Measurement of the number of lumbar spinal movements in the sagittal plane in a 24-hour periodという文献では、24時間の間に腰椎がどの方向にどの程度動くのかを研究報告しています。

 

研究結果としては、腰椎を動かす回数には個人差が大きく、24時間の間の中央値は4400回であった。そのうち、5~10°の小さな動きが66%を占めていた。

腰椎を屈曲位(屈曲角度20~30°)で過ごす時間の中央値は【4.9時間】だったのに対して腰椎伸展位で過ごす時間はわずか【24分】であった。

いっぱいまで腰を屈曲させた動きは中央値で【50回】だったのに対して、伸展最終域までの動きは【0回】であった。

 

私もこの文献を見てから再度自分の生活を振り返ってみましたが、私の生活の中でも腰を曲げる動作はとても多いが、腰を伸ばす事はほとんどないことに改めて感じました。

腰を曲げるという動作が悪い事ではないと思いますが、一日のうちにこれだけ伸ばすこととの差が開いてしまうと、かなりバランスは悪くなり、身体機能に影響がでてくることも考えられます。よく、農作業などを行なっている方がふとした瞬間に腰を伸ばして腰をトントンと叩いている光景を一度は見たことがあるのではないでしょうか。人は腰を曲げすぎると自然と腰を伸ばそうとするのです。

健康的な体を維持するためには一方向だけの動きではなく、様々な方向へバランスよく動かすことが重要になるかと思います。

 

 

また、日常生活動作でも曲げる姿勢を短くする工夫はできると思います。

例えば、下に置いてある荷物を持つときなどは立ったまま腰を曲げるのではなく・・・

一度しゃがんで腰を伸ばしながら荷物をとるなどのひと手間を加えた方が腰椎に加わる負荷は減ってくれます。

 

 

今回のまとめですが、腰を曲げる動作が多いのが一概には悪くはないと思いますが、曲げる事と伸ばす事のバランスをとるのが健康的な体を作る上で重要な事であると私は考えています。

そのため、日常生活では腰を曲げない工夫をすることや、腰を伸ばす体操を行うなど運動を行いながら健康な体が維持できるように自己管理をしていく必要があります。

 

これからも皆様に良い情報をお伝えできるようにブログを更新していきます。

 

外来部門責任者

池田純平